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2005年03月11日

悪女(わる)//深見じゅん

悪女(わる) (1)
深見 じゅん

講談社 1998-11
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この長編漫画を、もう何度読み返したことか…
今、また読み返しているところなので、紹介することにする。

「悪女」は、私(が仕事をするうえで)のバイブルといっても過言ではない。
専門学校を卒業して某番組制作会社作家室に就職して2年弱の頃の私が、「会社を辞めてフリーで働こう」と思えた要因のひとつが、この漫画だった。
何でも「やる気になればできる。」…そう思わせてくれる作品だ。


内容をごく簡単にまとめると、「三流大学を卒業後、下等なコネで大商社に入社した落ちこぼれOLが、入社直後に一目ぼれしたエリート社員に相応しい人間になるべく、持ち前のポジティブさとパワーを武器に出世を目指す物語」という感じ。

まあ、一文でまとめてしまうと「ふーん」という感じだが、この漫画の魅力はそんな簡単なあらすじからは語りきれない。

私が思うこの漫画の最大の魅力は、月並みすぎて悔しいが「主人公・まりりんのパワー」だ。彼女は、あらゆる困難から決して逃げない。作戦は練るが策略は練らない。戦うだけ戦ってダメなら仕方ない、という潔さもあるし、度胸もある。何より向上心がある。
そういう人間は、例え最初は苦労しても確実に伸びていくのだ。

そして注目したいのは、彼女が「出世したい」理由が、「一目ぼれの男に少しでも近づくため」であること。
(チェッカーズと逢いたいからテレビの仕事したい!と思い続けてそれを実践した私は、いたく共感できる。。。)

「課長に褒めてもらうことができたら、あの人に逢いに行こう」
「この仕事が無事に終わったら、告白しよう」
「逢って話すとき、恥ずかしくないような自分になろう」
…そう思って頑張れるなら、それがパワーの源なら、その動機は不純でも何でもない。むしろ純粋ですらある。


さて、この漫画のリアルタイムな頃(1990年ごろ)というのは、1985年に男女雇用機会均等法が成立してから数年という時代。今でこそ「結婚より仕事」「結婚と仕事の両立」というスタイルは常識だが、当時はまだまだ「OLはお茶くみとコピーとりが仕事、結婚したら寿退社」という意識が蔓延していたと思う。(とくに大企業、しかも商社ならなおさら。)

「恋愛と仕事の両立」「結婚と仕事の両立」というのがこの作品の大きな軸になっている中、まりりんは「好きな人と結婚したい、そのために出世したい」という究極の相乗効果(?)を実践していく。とても痛快だ。


さらに、この漫画の魅力としてもう一つ挙げるとすれば、「登場人物の多彩さ」だろう。この漫画はロールプレイングゲーム仕立ての構成になっていて、主人公がいろんな部署に異動するたびに「敵キャラ」や「味方キャラ」が出てくるのだが、それらのキャラがとても魅力的なのだ。

悪役キャラも、悪役たる理由やポリシーをきちんと持っている。共感できるかどうかは人それぞれだが、「そういう考え方で生きている人も、確かにいるんだろうな」と、感心させられてしまうこと多々、である。


漫画文庫にして19巻(単行本は37巻)という、「ちょっと読んでみよ」というには大変な長さだが、読み始めたらきっと一気に読んでしまうと思う。
基本的に女性向けの作品ではあるが、男性が読んでも面白く読めるはず(とくにOLを部下に持つような人とか。または出世を狙っている人とか)。


だまされたと思って、読んでみてほしい。

投稿者 you-me : 2005年03月11日 13:47

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コメント

石田ひかりのまりりんはなかなかだったと思うのですがどうでしょう?

♪あ~くじょ~にな~るなら~
(歌いながらはける)

投稿者 MAMI : 2005年03月13日 19:08

うーん、私的にはイマイチ(^^;...
石田ひかりの演技があまり好きではないせいかも知れないけど、なんか、漫画のまりりん以上にバカっぽく思えた気が(^^;;;...

でも、渡辺満理奈とか鶴田真由、布施明あたりはかなりハマってたと思う!<キャスティング
何気に永瀬正敏も出てたなー。

投稿者 you-me : 2005年03月14日 12:12

↑つーか、布施明って!!(爆)>私

布施 博

です。<小野さん役

投稿者 you-me : 2005年03月14日 12:13

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